大事な愛車を雨風から守れて、家との行き来もしやすいビルトインガレージの魅力です。
しかし、そのビルトインガレージの上に部屋を作るなら注意するべきポイントが2つあります。
それは「寝室にはしない」「防寒対策をしっかりする」の2つです。
計画の段階でこの2つのポイントが抜けていると、ビルトインガレージの上に部屋を作ったのに「問題があって結局使っていない」なんてことになりかねません。
せっかく作った部屋は有効に使えたらいいですよね。そこで、ビルトインガレージの上に部屋を作るときに気をつけるべき2つのポイントをこの記事でお伝えします。
ビルトインガレージの上に部屋を作るなら寝室以外にする
ビルトインガレージの上に部屋を作る場合は、寝室として使うのはできる限り避けましょう。 ビルトインガレージではさまざまな音が出ます。その音で睡眠が妨げられてしまうからです。
ビルトインガレージでは次のような音が発生します。
- ガソリン車のエンジンの音
- バック駐車のときのブザーの音(バック音)
- シャッターを開け閉めする音
- 強風でシャッターが揺られる音
これらは日中は生活音で気にならない程度の音です。しかし朝6時前や夜20時以降など特に静かな環境ではとても目立ち、大きな音に聞こえてしまいます。そのためビルトインガレージの上の部屋は寝室にするには不向きです。
ビルトインガレージの音で睡眠が妨げられないように、上の部屋を寝室には使わないようにしましょう。特に小さな子供がいる家庭は「せっかく寝かしつけたのに起きてしまった」ということがないように、ビルトインガレージから離れた位置を寝室にすることがおすすめです。
ビルトインガレージの上に部屋を作るなら収納や水回り、リビングやフリースペースなどとして使うことをおすすめします。
ビルトインガレージの上に部屋を作るなら防寒対策をしっかりする
ビルトインガレージの上に部屋を作るなら、よりしっかりとした防寒対策をする必要があります。
ビルトインガレージの気温は外と同じです。ビルトインガレージは屋根(※上階の床)と壁はありますが、開口部が大きいため断熱性や気密性などの防寒性能はほぼないからです。開口部にシャッターがある場合でも、製品の形状からどうしても隙間ができてしまいます。またシャッターの素材は金属製であるためガレージ内の熱が逃げやすいのです。
そのためビルトインガレージと上の部屋との間で、防寒対策をしっかりとする必要があるのです。防寒対策が不十分だとビルトインガレージの寒さが上の部屋に伝わってしまいます。しかも寒いだけでなく結露も発生しやすくなり、床や天井、その内部がカビたり腐食したりする可能性もあります。
それを防ぐためにはビルトインガレージ上部の部屋の床に、
- 断熱材を厚くする
- 気密性を高める
などの防寒対策をする必要があります。
なお、ガレージの壁の断熱性や気密性を高めることはあまり意味がありません。
なぜなら
- 床がコンクリート
- 開口部がある
- シャッターが金属製
などの理由でビルトインガレージは熱をとても逃しやすいからです。
ビルトインガレージの中にエアコンなどの暖房器具をつけることも防寒対策として考えられます。しかし、前出のように熱が逃げやすい環境では暖房効果が薄く、暖房代も余計にかかるので得策ではありません。
以上のようにビルトインガレージの上に部屋を作るなら、部屋の床の断熱材を通常より厚くするなどしっかりとした防寒対策が必要です。
ビルトインガレージの上に部屋を作るメリット
ビルトインガレージの上に部屋を作るメリットは、狭い土地でも駐車スペースを確保できるということです。
都心部や地方の市街地では広い土地を手に入れることは非常に困難です。駐車スペースを確保するには、車1台分ではおよそ4.5坪(幅2.5m×長さ6.0m)の土地が必要です。もし車を所有して敷地内に駐車をしたいのなら、その分広い土地を探す必要があります。
しかし広い土地を確保できなければ、建物の建築面積を減らすかしなければなりません。もしあったとしても仮に坪単価50万円の土地なら、駐車場スペースのためだけに225万円余計に費用が必要になります。
ビルトインガレージなら狭い土地でも建物の建築面積を減らすことなく、駐車スペースを確保することができます。また、土地の単価が高い市街地などでは土地代を抑えるのにとても有効な手段にもなります。
まとめ
ビルトインガレージの上に部屋を作るなら、睡眠が妨げられないように寝室以外にしましょう。
また、部屋とビルトインガレージの間の床の断熱性・気密性を高めるなどの防寒対策も必須です。
ビルトインガレージの上に部屋を作るのは、建物の面積を減らすことなく駐車スペースを確保できるとても効率的な土地の活用方法です。
せっかく作ったビルトインガレージの上の部屋を空き部屋にしないように寝室の配置計画と防寒対策をしっかりと計画しましょう!